De RS125: MotoGPスペインGP:変わらない一つのこと(2)

2016年5月1日日曜日

MotoGPスペインGP:変わらない一つのこと(2)



  ロッシの長きにわたるスポーツにおける精神力と身体能力は本当に素晴らしい。
そして2016年もトップであり続けるための方法を常に探しているのだ。

 GP250のチャンピオンであった、ルカ・カダローラにライダーコーチを依頼したことに驚ろいている人もいるのではなかろうか。

 ロッシほどの才能を持ったライダーを、誰がコーチできるのだろかと思うだろうが、ロッシはヘレスでの勝利後にカダローラのタカの目のような洞察力についてコメントしている。

 ロッシのこれまで積み上げてきた業績を考えると、彼がVR46アカデミー生のニコロ・ブレガのような若いライダーの親であってもおかしくない年齢である。

 ブレガは1999年10月生まれで、その時、ロッシはすでにG125とGP250の世界チャンピオンであり、最高峰クラスへのステップアップを考えている頃だった。

 ロッシが1996年のヘレスでペーター・エッテル、ルーチョ・チェッキネロやホルヘ・マルティネスらと争っていた頃、マルク・マルケスは3歳だった。

 その時11位だったエッテルには、19歳の息子がおり、彼はMoto3で活躍し出している。このフィリップ・エッテルははロッシが彼の父に勝利した時には9歳だったのだ。

 彼がこれまでずっとレースを続けきたことだけで、それは賞賛に値する。しかし、それだけではなく、彼がそのほとんどの時期でトップであり続けたことは尚更だ。

 ロッシの未だにレースを続けたい、という渇望とモチベーションは、彼を毎日ジムへ行くことに駆り立て、栄光と喜びを得るためにリスクを冒しに行くことを可能にしてきた。そのことが私の心を掴むのである。

 昨年ロッシはホルヘ・ロレンソとのチャンピオン争いに敗れた、この記憶は彼の記憶から完全にはなくならないだろう。人間は困難を経験した時、その記憶が残っているかもしれないが、その苦い記憶を乗り越えて行くことは、完全にはできないかもしれない。

 しかし、ロッシはそういった逆境から這い上がり、再び戦おうとしたのだ。これは驚きに値する。彼が20011年と2012年ドゥカティで失敗を経験した時も彼はそうしたのだ。

 彼の常にトップにいたい、という渇望を理解できない人は、先週末のMoto3レースのあとの彼の様子を見ればいいだろう。

 ブレガの素晴らしい初めての表彰台の獲得を受けて、ロッシはパルクフェルメに行って彼を祝福した。MotoGPのウォームアップ・セッションは一時間以上前に終わっていたのだが、ロッシはまだレーシングスーツを着ていたのだ。

 彼は気温の上がったトラックに対応するために、クルーと一緒にエレクロトニクスのセットアップを、そのまま続けていたのだ。

 彼はそこにいた、戦いに備える老兵であるが、その素晴らしい走りによって時間を引き戻した。彼はまるでティーンエイジャーのように感じていたに違いない。

 彼がボックスに現れた時、1996年に彼がレーシングシーンに現れた時の記憶が思い出されたのだが、そのような気持ちになったのは、私だけだろうか。




  
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